セッションオーガナイザー:辰巳 敬(東工大資源研・教授)
佐伯義光(TOTO・執行役員/光触媒事業推進部長)
小堀良浩(新日本石油水素新エネ研・プリンシパルリサーチャー)
いかなる生産活動も環境問題への対応が求められる時代において,化学が果たすべき役割は益々増大している。そこで本年度より「環境セッション」を独立させ,環境問題解決に化学技術がどう貢献できるか議論する場を設けることとした。初年度の今回は環境に関連する代表的な技術分野を3つ選択し,それぞれサブセッションのテーマとして設定した。
A.革新的省エネ省資源プロセス
「低炭素社会」に向かう世界の中で,我が国の化学産業が世界をリードしていくためにはどのような技術革新を目指すべきか。「省エネルギー・省資源」,「革新的触媒・プロセス技術」,「グリーンプロセス」,「石油あるいは化石資源からの脱却」,「再生可能資源」などをキーワードに化学プロセスの将来像について活発な議論を行いたい。
B.可視光光触媒
日本が生んだ世界に誇る技術である光触媒はエネルギーおよび環境という地球の抱える大きな問題を一挙に解決する力を秘めている。本サブセッションでは,可視光光触媒の最近の進歩を概観すると共に,将来に向けた研究開発・応用の方向性を議論したい。
C.高効率分離技術
温暖化ガス削減は21世紀の化学技術の方向性を決めるキーワードであり,ここで分離技術は極めて重要な役割を担うことが期待されている。本サブセッションでは@CO2分離・回収A省エネルギー分離技術の2つの側面から分離技術に求められる将来像を議論したい。
- 革新的省エネ省資源プロセス
- 基調講演 炭素をきちんと使う−化学プロセス開発事例より(旭化成ケミカルズ・取締役/常務執行役員)永原 肇
- 招待講演 化学原料および燃料の多様化に向けて(新日本石油中央技術研究所・所長)岡崎 肇
- 招待講演 金触媒による化学プロセス革新の可能性(首都大院都市環境・教授)春田 正毅
- 招待講演 化学産業の低炭素化に向けて 究極の効率化〜非化石資源への転換(産総研つくばセンター・次長)島田 広道
- 依頼講演 バイオマス変換触媒の開発(筑波大院数理物質)冨重 圭一
- 依頼講演 水の資源・エネルギー問題に着目した新規ニトリル水和プロセス(岡山大院自然科学)押木 俊之
- 依頼講演 固体触媒を用いた環境低負荷セルロース糖化(東工大応セラ研・教授)原 亨和
- 依頼講演 環境調和を目指した高効率酸化触媒技術の創生(ダイセル化学工業)中野 達也
可視光光触媒
- 基調講演 市場拡大にむけたNEDO光触媒産業創成プロジェクト(東大院工・教授)橋本 和仁
- 招待講演 酸化タングステンをベースとした高活性可視光応答型光触媒の開発(北大触媒センター・准教授)阿部 竜
- 招待講演 新規複合酸化物光触媒材料の研究開発(物材機構光触媒材料センター・センター長)葉 金花
- 招待講演 室内環境で働く高性能な可視光応答型酸化タングステン光触媒の開発(産総研エネルギー技術・主任研究員)佐山 和弘
- 招待講演 光触媒応用商品による環境貢献(TOTO・執行役員/光触媒事業推進部長)佐伯 義光
- 依頼講演 光触媒の抗ウイルス活性について(横市大院医・教授)窪田 吉信
- 依頼講演 ナノ構造を制御した酸化タングステン薄膜による可視光誘起超親水化(産総研ナノテクノロジー・主任研究員)宮内 雅弘
- 依頼講演 高感度光触媒材料の開発(昭和タイタニウム・課長)黒田 靖
- 依頼講演 光触媒の現状および可視光光触媒の応用展望(パナソニック電工 新規商品創出技術開発部 材料技術開発部・開発部長)高濱 孝一
高効率分離技術
- 基調講演 CCSの今後とCO2分離回収技術に対する期待(産総研エネルギー技術・グループリーダー)西尾 匡弘
- 招待講演 CO2選択透過促進輸送膜の開発とメンブレンリアクターを用いた水素製造プロセスへの展開(神戸大院工/神戸大先端膜工学センター・教授/センター長)松山 秀人
- 招待講演 無機膜を用いる分離・反応プロセス(産総研コンパクト化学プロセス研究センター・センター長)水上富士夫
- 招待講演 逆浸透膜による海水淡水化技術(東レ地球環境研究所・所長)辺見 昌弘
- 依頼講演 高分子膜のCO2分離への応用(首都大都市環境・教授)川上 浩良
- 依頼講演 無機ナノストランドを利用する高効率ナノ分離膜の製造(物材機構ナノ有機センター・センター長)一ノ瀬 泉
- 依頼講演 膜蒸留法の原理・応用と最近の進歩(新潟大工・教授)伊東 章
- 依頼講演 純酸素燃焼式微粉炭火力発電からのCO2回収(石炭エネルギーセンター技術開発部・部長)氣駕尚志
- 依頼講演 環境低負荷型CO2分離回収プロセスの開発とCCSへの適用(日揮)堀川 愛子
- 依頼講演 疎水性多孔質ガラス膜による水中からのアルコール選択分離(産総研環境化学技術)神 哲郎
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