(2012. 10. 18 掲載)
第2回CSJ化学フェスタ開催報告 |
日本化学会秋季事業「第2回CSJ化学フェスタ2012」が17日(水)、四日間の会期を終え、閉幕した。世界一早いノーベル賞解説講演などの公開企画、徹底討論をキーワードとしたシンポジウムや学生ポスター、企業R&D紹介、他機関連携企画など多彩なプログラムが行われ、前回を大幅に上回る約1500名(第1回1000名)が参加した。
CSJ化学フェスタは10月14日(日)から17日(水)、東京工業大学大岡山キャンパスで文部科学省、経済産業省、(独)国立科学博物館、(独)科学技術振興機構、公益社団法人新化学技術推進協会、一般社団法人日本化学工業協会の後援を得て、開催された。
公開企画“元素を楽しむ!”では世界の珍しい周期表や実物周期表、結晶美術館などの企画展示、“元素って、周期表って、実験って何だろう?”をテーマとする公開講演会では2000年ノーベル化学賞を受賞した白川英樹筑波大学名誉教授をはじめ3名の講師が講演した。また15日には「世界一早いノーベル化学賞解説講演」が行われ、辰巳敬東京工業大学理事・副学長があいさつした後、受賞対象となったGPCR(G タンパク質共役受容体)について村上聡東京工業大学教授、石黒正路新潟薬科大学教授がそれぞれ結晶構造と創薬への応用、自然科学分野のノーベル賞を予測しているトムソン・ロイターの棚橋佳子シニアディレクターは最近のノーベル賞の傾向について講演した。
フェスタ企画では徹底討論をキーワードに「化学で創る未来材料〜若さで挑戦」「化学蓄エネの最先端技術動向」「革新的触媒の最前線」「次世代太陽光発電の挑戦」の四つのシンポジウム・パネルディスカッションが行われた。各会場ともにほぼ満席で、それぞれのテーマで若手研究者、最先端領域をリードする研究者で文字通り熱い討論、活発な意見交換がいたるところでみられた。
CSJ化学フェスタの特徴のひとつは学生ポスターと企業R&D紹介ブースが近接したスペースで行われることで、今回も666のポスター、27企業・機関(※参考)が参加、活発に交流していた。また企業R&D紹介講演にも多くの聴講者が参加、会場前に聞きたいセッションの順番を待つ列ができたほど。ポスターからは最優秀ポスター賞が10数件選ばれ、11月に発表、「化学と工業」誌(2013年1月号予定)にも写真付で掲載する。
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会期中に産学官連携をベースとした他機関連携企画も開催された。産総研特別企画「ナノテク分野のホットトピックス」、新化学技術推進協会奨励研究講演会「将来の化学産業を切り拓く先進技術」、日化協特別企画「化学人材育成プログラム〜2012シンポジウム&研究発表会」が行われた。
また15日の夕方には東京工業大学学生食堂で、交流会が開催、産学官からの参加者、学生ら330名が参加、元素をテーマとしたクイズなどで盛り上がった。
第3回CSJ化学フェスタは2013年10月20日(日)〜23日(水)、東京都江戸川区のタワーホール船掘で開催する予定。
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