Copyright 2004 by the Chemical Society of Japan (2004.08.06掲載 10.28更新)

<お知らせ>
参加申し込みありがとうございました。
多数の参加の事前登録をいただき、ありがとうございました。 事前登録を締め切らせていただきました。
なお、定員に50名弱の余裕がありますので、事前に参加申し込みされていない方も当日参加を歓迎いたします。直接会場にお越し下さい。

第2回 化学イノベーションシンポジウム


明日をひらく化学のとびら
主催 (社)日本化学会  共催(財)化学技術戦略推進機構ほか(予定)
後援 東京工業大学・化学関係学協会関連団体など

期 日  平成16年10月30日(土)9時45分〜17時20分
会 場  東京工業大学70周年記念講堂
(東京都目黒区大岡山)


プログラム
開会挨拶         日本化学会平成16年度会長    御園生 誠

  • 講演1 (10:00〜10:35)
    [マテリアル分野]
    『分子性金属・超伝導体の開発はどこまで進んでいるか』
    欧州の研究者により初めての有機超伝導体が報告された1980年以降、多くの化学者が新規な分子性超伝導体の開発を目指して研究を蓄積してきた。現在では、分子素子の実現を目指した研究も活性化している。しかし分子ナノワイヤー、分子素子等を現実のものとするためにも分子が集積してできる伝導体の設計を十分知る必要がある。ここでは単一分子性金属、磁性有機超伝導体などの開発を中心に分子性伝導体の開発研究の最近の進展を紹介する。
    (自然科学研究機構分子科学研究所教授) 小林 速男

  • 講演2 (10:35〜11:10)
    [マテリアル分野]
    『曲がった液晶分子が利き手を変える』
    屈曲形分子は液晶の分野に新しい科学をもたらした。特に興味深いのはキラリティである。アキラルな分子であるにもかかわらず、自然に右手分子の領域と左手分子の領域に分かれる(自然分掌)。また、右(左)らせん構造を持つ液晶にアキラルな屈曲形分子を添加すると、らせんピッチが短くなる。このことは屈曲形分子が右手(左手)分子として働いたことを意味する。最近では界面や光で分子の利き手を変えることにも成功した。
    (東京工業大学大学院理工学研究科教授) 竹添 秀男

  • 講演3 (11:10〜11:45)
    [マテリアル分野]
    『「有機EL素子:材料からデバイスまで」
    有機EL素子は有機半導体材料を用いた発光素子であり、近年、高効率、長寿命が達成され実用化が始まった。材料では真空成膜する低分子系と塗布により成膜する高分子系に大別され、それぞれ特徴があり、大型ディスプレイや照明器具への応用が期待されている。本講演では、材料系のそれぞれの特徴と実用化の現状そして有機EL素子が拓く明るい未来について述べる。
    (山形大学大学院工学研究科教授) 城戸 淳二

  • 講演4 (11:45〜12:20)
    [環境・エネルギー分野]
    『環境循環型バイオプラスチックの合成と設計』
    再生可能な資源である糖や植物油からバイオ(微生物)プロセスによって生産されるバイオプラスチックは、使用中は優れた性能を持続的に発揮し、使用期間が終了した後には自然界の微生物によって二酸化炭素へと分解される炭素循環材料である。本講演では、高性能バイオプラスチックを高い効率で生産する遺伝子組換え微生物の分子育種とそのバイオ生産プロセス、さらに、生分解性プラスチックの材料設計法についても紹介する。
    (東京工業大学大学院総合理工学研究科教授) 土肥 義治

    ――昼食・休憩――
  • 講演5 (13:30〜14:05)
    [環境・エネルギー分野]
    『可視光エネルギー変換を目指す新規な光触媒材料の開発』
    太陽光で水を水素と酸素に効率よく分解できれば、人類はクリーンで再生可能なエネルギー源を手にすることができる。そのような人工光合成を不均一系光触媒を用いて行うための現在の課題は、可視光を十分に吸収し水を分解できる安定な光触媒材料の開発である。本講演では、最近見出された新規な非酸化物系光触媒材料、とくにオキシナイトライド型光触媒開発の経緯と特徴を中心に、この分野の現状と展望を述べる。
    (東京大学大学院工学系研究科教授) 堂免 一成

  • 講演6(14:05〜14:40)
    [合成分野]
    『炭素の不思議』
    60個の炭素原子からなるサッカーボール状分子,フラーレンは1970年に大沢(当時京都大学)が考え出し,1985年には煤の中の微量成分として検知された炭素化合物である.以前はダイヤモンドより高いと言われたフラーレンも,一昨年からは世界に先駆け日本でトン単位の量産が行われている.本講演では,あの光輝くダイヤモンドであり真っ黒な炭でもある「炭素」と,我々の体を形作る有機化合物の基本構成要素でもある「炭素」の性質について,サッカーボール分子を通して考える.
    (東京大学大学院理学系研究科教授) 中村 栄一

  • 講演7 (14:40〜15:15)
    [合成分野]
    『シガトキシン類の全合成と生命科学のインターフェイス』
    世界で毎年2万人をこえる世界最大規模の海産物食中毒“シガテラ”の原因毒シガトキシン類の全合成は、興味深い構造と中毒の予防法開発や神経生理学研究等から強く待ち望まれて来た。研究開始から完成まで12年余を要したが、5から9員環エーテルを13個有する3 nmの巨大分子を合成の最終段階まで無毒なまま、2001年に世界で始めて全合成することに成功した。最新の効率的合成法や、抗体作製による中毒予防、新たな神経科学の展開について紹介する。 
    (東北大学大学院理学研究科教授)平間 正博

    ――――休 憩――――
  • 講演8 (15:30〜16:05)
    [バイオ分野]
    『化学でDNAを操る』
      DNAには我々の生きる上で必要な基本プログラムが書かれている。DNAの2重ラセンが発見されて50年経過し、ゲノムプロジェクトにより配列も決定され、その結果、病気の原因、診断、治療法が革新的に変化している。DNAは遺伝情報を担う分子としてばかりでなく、魅力的なナノテクノロジーの分子材 料としても注目を集めている。ここでは化学的手法によりDNAを操る我々の試みについて紹介したい。
    (京都大学大学院理学研究科教授) 杉山 弘

     
  • 講演9(16:05〜16:40、担当: 委員)
    [バイオ分野]
    『生き物のエネルギーは細胞のロータリーモーターで作られる』
    地球の生き物すべて、分子量約500のATPという化合物の加水分解のエネルギーで生きている。このATPを作る酵素は、ロータリーモーターであることが明らかになった。そのサイズはわずか10nm、地上最小のモーターである。このモーターを駆動するのは、食物から抽出された水素を燃料とする燃料電池である。
    (東京工業大学資源化学研究所教授) 吉田 賢右

  • 講演10 (16:40〜17:15)
    [バイオ分野]
    『細胞を認識して機能を制御する高分子設計の面白さ
    −再生医療/ティッシュエンジニアリングを目指す細胞マトリックス工学−』

      移植臓器に替わる生体組織・臓器の再構成をめざすアプローチはティッシュエンジニアリング(組織工学)や再生医療として近年活発な展開がなされている。生体組織の発生・再生の分子シナリオが十分解明されてはいないものの細胞を取り巻く微妙環境の設計の重要性は共通に認識されている。その担い手として細胞外マトリックスを新たに設計していく意義は大きい(細胞マトリックス工学)。合成化学や遺伝子工学を基礎とした細胞を認識し機能制御する高分子設計のフロンティアを紹介し、その面白さを語りたい。
    (東京工業大学大学院生命理工学研究科教授) 赤池 敏宏

閉会挨拶   東京工業大学学長 相 澤 益 男

懇親会  (17:30〜 )  東工大百年記念館1階展示室にて開催予定


定 員:600名なり次第。
参加費(資料付):高校生・大学生 無料。一般 1,000円。(懇親会参加費3,000円は、シンポジウム終了後、懇親会会場にて別途お支払いください。)
申込方法:@氏名、A所属・役職(学生の場合は学校名・学部年まで)、B連絡先(〒、住所、電話番号、FAX番号、e-mail)を明記し、e-mailで下記あてお申し込みください。申込者には参加証を送付します。なお参加費は当日会場で徴収します。
申込先:101-8307東京都千代田区神田駿河台1-5 (社)日本化学会企画部 太田幸子(電話:東京(03)3292-6163、FAX:東京(03)3292-6318、e-mail:innov@chemistry.or.jp

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